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DCF法(Discounted Cash Flow)とは

DCF法(Discounted Cash Flow)とは、将来の価値を現在の価値に直す考え方です。ディスカウントとは、値引き・割引と訳されることが多いので、直訳すれば「割引現在価値」と言う意味になります。すなわち、将来のお金を現在のお金の価値(Present Value)に直して比較する方法です。

このような考え方が必要なのは、現在の価値と将来の価値を単純に比較的出来ないことにあります。

例えば、数十年前のビールの値段と、現在のビールの値段を単純に比較することは困難です。 価格だけを見れば、現在の価格が高いはずです。しかし、これは意味がありません。何故なら、数十年の物価(初任給等)と現在の物価(初任給等)が異なるので、単純に比較出来ないからです。

将来においても考え方は同じです。現在の価格と、5年後の価格が同じとはかぎりません。そこで5年後の価格が現在の価格でいくらになるのかを算出する方法がこのDCF法です。

DCF法

このように現在の価値に直す際に利用するのが割引率です。これにより、将来の価値を現在の価値を換算して比較することが可能となります。これは、買収・合併を行う際に相手の会社の価値を計るのに用いられます。

ただし、この割引率を算定するのが困難です。個々の事情により変わります(大きく変わることは考えにくい)。利息など客観的な数値であれば判りやすいと言えます(ただ、常に変動するので注意)。率が高くなれば、価値は下がります。その逆もあります。それぞれの実情にあった正確な割引率の算定が資産評価の成否を握っており、M&A成功の可否を大きな部分を占めています。