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敵対的とは

M&Aの世界には、「友好的」・「敵対的」の言葉が頻繁に用いられます。

そもそも何をもって、「友好的」・「敵対的」といえるのでしょうか。これらの定義に明確な基準はなく、とても難しい判断にならざるを得ません。時には、敵になり、場合によっては味方になるケースかせあるかもしれません。買収案件においては、必ずと言えるくらいに、この「友好的」・「敵対的」の分類が議論されます。

▼ 「友好」・「敵対」 ▼ グリーンメーラーは敵なのか

「友好」・「敵対」

この分かれ道は、経営者側にとって何れにあたるか否かによる判断が行われていると思われます。ライブドアとフジテレビの問題においては、買収する側(ライブドア)が「敵対的」とみなされた。これ以外にも外資(国内)のファンドによる買い占めにおいても「敵対的」とみなされるケースが多い。

如何なる場合に、「敵対的」となるのでしょうか。株式を上場している以上、誰でも自由に売買することができます。多額の資金を出資する者が取締役を選任し、会社の経営に関する舵取りを行うのは当たり前と考えられます。会社法の規定を考えても、多数の株主が会社の経営執行に大きな影響を持つことを認めていると解することができます。多数を買い占めて経営に参画するだけでは「敵対的」とは言えないと思われます。

既存の経営者にとって好ましくない者であっても、株主利益の観点から見れば、好ましいかもしれません。友好・敵対の判断は株主利益の視点から判断されることが必要です。

グリーンメーラーは敵なのか

大量の株式を買占めて、株主提案(役員を送り込むなど)を行うことで一定の圧力を掛けることによって、高値で買戻させることを主たる目的とする団体(ファンドなど)は敵と言えるのでしょぅか。このようなファンドなどは、グリーンメーラーと呼ばれています。

株式売買は、高値で売り抜けることを目的としています。個人投資家においても売却益(キャピタル・ゲイン)を得ることを目的して売買しています。一定数を有すれば、数の力が働きます。ただし、5%を超える取得をすする場合には、株式公開買付(Take Over Bid TOB 又はTender Offer)を行う必要があります。また大量保有報告書の提出も必要です。

これらの手続きを考慮すると、積極的に5%を超えて取得することは少ないと思われます。議決権全体として5%であれば、大きな影響を行使することは無いと思われます。 買取るか否かは、自由であり強制されるわけではありません。このような圧力を与えるのみで敵と判断するのはやり過ぎの感じもします。株主提案の内容などを精査した上で、会社の資産・財産を焦土するなど、本当に毀損する場合にのみ敵と言えると思われます。