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知的財産の法的監査

はじめに
企業は様々な資産を有しています。形があり実際に目で確認出来る資産、いわゆる有形資産(不動産、施設、設備等)だけではありません。目に見えない資産である無形資産もあります。

企業の成績表である貸借対照表(バランスシート)には有形資産は評価され計上されます。無形資産については、日本では認識基準(計上基準)が決まっていません。国際会計基準では一定の基準はあります。

「無形資産」とは、国際会計基準によると「生産、財・サービスの供給、賃貸、管理目的で保有する識別可能な、実体のない非金銭的資産」と定義されています。 身近な例としては、電話加入権があります。

▼ 企業戦略(M&A)における知的資産の取扱い  ▼ 注意する事項  ▼ 結びにかえて

企業戦略(M&A)における知的資産の取扱い

知的資産は、特に法律で定められて定義などはありません。 一般的には、人材・開発した技術・顧客情報・ノウハウ等の企業が営業活動により蓄積・集積した資産であると理解されています。さらに細かく分類すると、知的財産、知的財産権などに分けられます。

知的財産・知的財産権は、知的財産基本法に於いて定義がなされています。 「知的財産」とは、「発明、考案、植物の新種類、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの、商標、商号その他の事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報」をいう(知的財産基本法2条1項)

「知的財産権」とは、「特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利」をいう(知的財産基本法2条2項)

無形資産は、実体が掴みずらいことから客観的な評価を行うのは困難です。知的財産が生み出す現在の価値・将来の価値をしっかり把握する必要があります。過小評価したり、過大評価をし過ぎると結果的にM&Aが破断する危険性もあります。 法的な手続きを含んだ、しっかりとしてデューデリジェンスを行う必要があります。

注意する事項

無形資産は、一度開示して情報が明らかになると資産としての価値を失う性質を有していることがあります。開示する場合には、秘密保持契約等で取扱いを詳細に定めることが必要です。現在においては、情報自体が価値を持っていることから、慎重に配慮することが大切です。顧客情報・営業秘密として保護されるには不正競争防止法についても考慮する必要があります。契約条項について細心の注意を払うことが肝要です。

結びにかえて

知的資産、知的財産についは、権利関係などが複雑に絡み合っています。逐次契約内容などを精査して慎重に進める必要があります。当事務所としては、法的な側面をサポートすることにより、知的財産を用いたM&Aをスムーズに進めるための戦略的な助言・契約書の作成、条件交渉などを行います。知的財産を有していることは今後の企業戦略を行う上で有利と言えます。 無形資産を活用した攻める企業戦略をフルサポート致します。