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株式併合・株式無償割当

株式併合(reverse stock splits)とは

株式併合(reverse stock splits)とは、既存数個の株式をまとめることにより、全体として少なくする行為です。例えば、10株を4株にする場合などが該当します。株式併合により、発行済み株式が一律に減少します。
もっとも、発行株式数が減少するのみで、資本額、発行可能総数については変動がありません。

▼ 株式併合の手続き ▼ 株式併合における問題点・活用場面 ▼ 株式無償割当とは
▼ 株式無償割当の手続き・効力 ▼ 当事務所の関わり

株式併合の手続き

株式併合を行う場合は、その都度、株主総会の特別決議を行う必要があります(会社法180条2項)。定めなければならない事項は、次のとおりです。

併合の割合
株式併合の効力発生日
種類株式発行会社においては、併合する種類株式

取締役は、株主総会において、株式併合を行う理由について説明する必要があります。また、効力が生じる2週間前までに株主に対して通知する必要があります。

株式併合における問題点・活用場面

株式併合を行う比率は自由に定めることが可能です。併合比率の定め方によっては、1株にみたない端数が生じることになります。例えば、3株をまとめて1株とする株式併合を行った場合に、6株を有する株主は、2株となります。5株を有する株主は、1株(端数2)となります生じた端数端数については、1株としてみなさりません。すなわち、株主権について行使することができません。については、会社が買取ることが可能です(会社法2341条)
併合比率の定め方によっては、持株数をコントロールすることができます。少数株主を締め出すことも可能です。

実務上では、合併などを行う場合に合併比率を調整する目的で株式併合が行われることが多くあります。また、減資を行う場面において株式併合を行って発行済み株式総数を減少させて、減資を行い易くするなどの手法として用いられることもあります。株主総会の特別決議があれば、特段の理由なくして株式併合を行うことは可能といえます。少数株主に対して不当な不利益を与える株式併合についは、株主総会決議取消しの訴えの対象となる可能性があります。

⇒吸収合併の詳細はコチラ
⇒会社の減資についての詳細はコチラ

株式無償割当とは

株式無償割当とは、株主に対して新たに払込みをさせないで株式を割当てることです。すなわち、株主は無料で株式を受け取ることになります。株主割当は、新株発行に伴う有償での引受けです。

種類株式発行会社(会社法108条)においては、無償割当を行う種類株式について定める必要があります(会社法186条1項1号カッコ書)。

株式無償割当の手続き・効力

株式無償割当を行う場合には、次の事項について定める必要があります。

株主に割当てる株式の数又は算定方法
株式無償割当の効力発生日
種類株式発行会社であれば、株式の種類

上記の事項については、取締役会設置会社においては、取締役会の決定において行うことが可能です。取締役会を設置していない会社においては、株主総会の普通決議で行えます。定款で別の定めを行った場合は、その定めに従うことになります(会社法186条3項但書)。

効力発生日において、定められた数(割合)の株式について取得することになります。端数が生じる場合の処理については、株式併合の場合と同様です。

当事務所の関わり

株式併合・株式無償割当は、会社の資本政策・株主対策として用いることが多くあります。会社法上定められている他の行為(新株発行、合併、会社分割、株式交換など)よりは、比較的簡易な手続きで行うことができます。もっとも、持株数に関しては、株主の関心が
とても高い事項です。むやみに行えば、法律上は問題がなくても、株主との関係では大きな問題か生じる危険があります。状況・手法などをしっかりと考察した上で実行することが大切です。

富山綜合法務事務所は、会社法を得意としています。特に株式を用いた制度設計、戦略立案について最も得意としています。中堅企業・オーナー型企業の皆様に個々の実情に合わせてベストな資本政策・株主対策をご提供致します。